エピローグ-始まりの始まり-

 自分の人生の進展のなさに、嫌気がさし旅に出たが、旅に出て良かったと思う。

旅をして良かったと思う。
東南アジアという地で、様々な人に出会い、酒を飲んだり、話をしたり、一緒に行動したりと、本当にかけがえのない時間を過ごすことが出来た。
それと、現地の人々のパワフルな生き方。
それによって、俺の人生や考え方も少しずつ変わってきた。

 旅の終盤になると、旅を終わらせたくない。と何度も思ったが、反対にこれでいいのか?とも考えた。
人間、人生に息詰まると様々な解決手段があるが、出発する前の俺の解決手段は「旅をする。」
日本という国から、自分を取り除き、リセットする。
そうすることによって、自分自身がどんな風になるのかを知りたかった。
それ以外の薬はないと思っていたし、今でもそう思う。
異国の地に一人で降り立った俺は、以前よりは自分という人間を理解することが出来た。
”俺らしい”ということも以前よりかは、どんな事かもわかった。
今後、このような理由で、デッカイ旅に出ることはもうないと思う。
もう、旅という薬はいりません。

人生の”薬”ではなく、俺が俺であるために、また旅には、出たいとは思うが、それがいつになるのかは、まだ分からない。


 今回の旅は過去の旅と比べると、随分長期間になりましたが、今までの旅(1997年の沖縄・台湾・香港、2000年の沖縄)が、自分自身はもっと旅したいのに、帰らなければならない。
など、いささか消化不良だったが、今回は大満足です。
旅というものを満喫できました。

ただ、カメラをぶら下げて、ブラブラしていただけやけど。毎日同じじゃない日々を過ごすことが出来て、とても幸せだった。
そして、とっても楽しかった。
本当に俺自身がこんな旅をしたのか、よーやったなぁ。と驚きもあります。

現在、日本で引きこもってるヤツ。自分がどうしたいのか分からないヤツ。人生悲観的なヤツ。
対人恐怖症などという、理解できない病気の持ち主。誰でもいいから、誰かを殺そうなどと考えてるヤツ。
などなど、そんなヤツら、東南アジアへリュック背負って行って、人々と接してみな。
屋台で飯食ってみな。ローカルバスに乗ってみな。きっと素敵な笑顔が待っているよ。

自分を知りたくて、変えたくて、悩んでいるならば、旅に出るのも良いかもしれません。
きっと、それは人生の始まりの始まりになるかもしれないから。

-終わり-