桂林は今日も雨

     昨晩から降り出した大雨は、朝になっても止むことなく、猛烈に降っている。
    東南アジアとよく似た気候の、ここ広西壮族自治区は、完全に雨期に入ってしまっていた。
    朝7時に起きた僕は、あまりにも激しく降る雨を見て、今日の移動を実行しようか悩んでいた。
    それは、この時期の山間部では、土砂崩れなどが多いと聞いていたので、移動が不安であった。
    僕は部屋の窓辺に立ち、はるか彼方に見える奇峰を眺め、そして空を見上げ、空と同様に、曇った表情で今日の移動をどうしようか考えていた。
    「とりあえず、10時ぐらいまで、待ってみよう。止めば行くし、降り続ければここに居よう。」

    結局、雨は止まなかった。
    昨日、桂林に到着した午前中は晴天だったので、昨日のうちに移動しとけば良かったなぁ。
    せっかく訪れた街を素通りするのは、もったいないと思い、1泊だけすることにしたが、今日の雨のせいで、もう1泊です。

    桂林の街

     ずっと部屋にいるのもイヤなので、僕は傘を差して、外に出た。
    一応、やることはある。次の目的地の龍勝、三江には中国銀行がないので、桂林で両替をしておきましょう。
    とガイドブックに書いてあったので、なければ本当に困るので、銀行へ行こう!
    傘を差し、水たまりというか、河のようになった道路を歩き、銀行に着きT/Cを現金に。
    両替を終えた僕は、激しい雨のため、どこにも行く気にはなれず、やっぱり部屋に帰った。

     部屋でテレビを見たりとボケッとしておりましたが、やっぱりもったいない。
    ここは海外だぜ!俺は旅行に来ているんだ!外に行こう!
    と、僕はまたまた傘を差して、おでかけ。
    意気込んで外へ出たものの特に行きたい場所はないので、近場の観光地『象鼻山』に向かうため、決壊寸前の川沿いの道を歩き、名前の通り、象の鼻のような岩山をなんとなく眺めて、そこを後にし、その後は、『古城門』を見て、なんとなくスーパーに入ってしまい、歯ブラシを購入。
    歯ブラシは、広州でも肇慶でも買っていたので、もう買う必要がなかったのに、また買ってしまった。
    このままブラブラしていたら、どうでもいい物をたくさん買ってしまいそうなので、やっぱり部屋に帰った。

    左:古城門 右:宿の部屋

     部屋に帰ると、ちょっとしたトラブル発生。
    ”トゥルル!トゥルル!”と電話がなり、僕が日本語で「もしもし」とでると、相手が「パスポート、フロント」と言うので、僕がパスポートを持って、部屋から出ようとしたとき、ドアが”ドンドン”となって、ドアを開けると公安の人が入って来て、今日、宿泊の延長をしたときに、外国人宿泊の用紙を書き忘れたので、書いてくれということだ。
    なんや、そんなことやったんか。
    いきなり来たから、俺なんかやったんか!?とビビッタやん。
    用紙に必要事項を記入し、公安に渡した。

     一件落着かと思いきや、飯を食った後、宿に帰って来たときに、公安の人が「なんでLビザ(1ヶ月ビザ)で、こんなに中国にいることが出来るのだ?」と言う。
    どうやら僕のパスポートに上海の時のビザと広州の時のビザがあるので、怪しいと思ったのでしょうか?
    僕は、ノートに漢字と絵を使って、説明しましたが、まだ疑っているので、絵も詳しく、似顔絵入りにして、より詳細に説明。
    やっと理解してくれたらしく、「対不起、Sorry。」とあやまっていましたが、用紙の入境地を広州から上海に変えるだけだったことが分かり、僕も少し怒ってしまいました。
    「こんなことで1時間もかけるな!」と日本語で。

     夕食は炒飯とワカメと肉のスープ。超ヘビー級な量のうえ、炒飯は油ギトギトで胃が重たい。
    今もモーレツに雨が降っております。
    桂林にこれ以上滞在していても、しょうがないので、明日は絶対に龍勝に行きます。
    事故に巻き込まれませんように。