首長族に会いに行こう Again

     日の出と共に、ゲストハウスの隣の民家から「コケコッコー!!!」と鶏の大合唱で、僕はお目覚め。
    なんじゃい!ここは!俺がここにいる間に全匹、フライドチキンにしてやる。
    目覚ましの時間まで、あと1時間もあるが、二度寝をするには、無理なくらい頭がさえきってしまっていたので、仕方なく、ゲストハウスのテラスで、ゆっくりと朝食を食べることにする。

     トーストとバター&ジャム、ゆで卵2個、そしてコーヒーと、ミャンマー以来、久しぶりのアメリカン・ブレックファースト。
    自分で注文したのですが、メチャクチャ嬉しいメニューです。
    朝食を食べ終えた僕は、ゲストハウスの隣のツアー事務所へ行くが、集まったのは僕を含め、たったの3人。
    韓国人女性と、もう一人は当日参加のイギリス人のオッチャン。

     僕達は、ここから1日トレッキングの6人と一緒に、ソンテウのように改造された乗用車に乗って、午前9時に、ゲストハウスを出発。
    5分も走ることなく、周囲の風景は緑に囲まれた山々に変わっていた。
    車は、あまり大きくはない川の手前で止まり、ここで1日トレッキングの人たちとはお別れ。
    彼ら6人は竹の筏(いかだ)に乗って、川を下って行った。

     残された僕達3人は、近くに架かっている、吊り橋を渡った。
    吊り橋の隣には、コンクリートの二車線ある橋が架かっている。
    10メートルもない、今はもう誰も渡ることのない、こんな吊り橋を渡る。
    「なんか俺達、無意味なことしてるな。」
    再び車に乗り込んだ僕達が向かう先は、首長族の村。
    車は水しぶきをあげ、川を渡り、舗装されていない道を砂埃をあげながら走ること数十分で、首長族の村の入り口まできた。
    ここから先は、もう村なので、車はここまでらしい。

    ここが今回のツアーのメインなのですが、イギリス人のオッチャンは、どういうわけなのか、入村しなかった。
    僕と韓国人女性は、入村料の250Bを払って、首長族の村へ入っていった。

    首長族の村にて

     この集落の家々もミャンマーのいなかや、この前の少数民族お土産街の店舗と同じように、木の柱と、竹の壁と、葉を集めた屋根から構成されていた。
    どれも僕から見れば簡素な家が建ち並んでいる。
    集落は、当然ながらお土産屋が多く、その店には首長族の女性が店番をしていたり、布地を売っているお土産屋では、首長族の女性が、織り機で布を織っている。

     女性ばかりが目立つが男もおります。しかし、男はいたって普通です。
    男は首を長く伸ばしたりはせず、Tシャツとズボンという、現代の普通の格好をしている。
    たまにミャンマーでよく見ていたロンヂー姿の人もいました。
    この周辺の少数民族はミャンマーから移住してきた民族が多いらしく、その影響なのでしょう。
    それに、ここの男共は、ボケッとしているのか、仕事をしているのか、よく分かりません。
    僕から見れば、ある意味うらやましいのですが、あまりにもヒマそうです。

     女性達は、首を長く伸ばすために、真鍮の太い針金を首に巻き、色鮮やかな民族衣装を身にまとっている。
    少女達も同様である。小さな子供も5才から、首に輪っかを巻き始めるらしい。
    しかし子供達は、どこの国でもそうだが、子供らしく、遊んでいる。
    サンダルを投げたり、ままごとをしたり、石を削ったりと。

     村全体は、たいした広さもなく、1時間ほどお土産屋を眺めたりしながら、ブラブラと歩けば、十分に見てまわることが出来た。

    この村と彼らが観光資源として、観光地化されていましたが、観光地化されていなければ、僕達はここへ来ることが出来ないのですから、ツアーという形であれ、来ることが出来て、良かったと思います。

    僕はここで何一つ買い物をすることなく、首長族の村を後にした。

    リス族の家の壁

     時間は、もう昼頃ですが、車に乗った僕達が次に向かったのは、リス族の村。
    しかし、この村には、人がほとんどいなかった。
    みんな、メーホンソーンの街で、お土産を売りに行っているのだろうか?
    僕達は薄暗い民家へ入り、家の中を見学したが、壁の隙間から入る、光だけが印象に残っている。
    あっさりとここを後にして、昼食を取るために、また移動。

     僕達3人は、お昼ご飯を食べながらのお喋り。
    韓国人の女性は、英語は堪能でしかも日本語も少々たしなんでいる、お茶目な女性。
    イギリス人のオッチャンは、日本企業に勤めているらしく、今回やっと、2週間の休みが取れて、ここへ来たと言っていた。
    彼曰く「日本人は休みを取ることもせず、毎日、仕事ばっかりしている。」と嘆いていた。
    まぁ、それもそうだ。彼ら日本人社会人は休みを取るのに、後ろめたさを感じていて、そうすることが出来ない。
    そんなことを言いたかったが、僕の語学力では、十分には伝わらないので、言わなかった。
    でも韓国人女性のおかげで、それ以外の会話は、いつも以上に長続きした。

     昼食後は、滝へ行き、そして温泉へ。
    温泉と言っても、日本のように情緒あふれる温泉ではなく、近代的なリゾート施設です。
    僕は海水パンツを借りて、温泉につかる。という感じではなく、プールなので、泳いでいた。
    「リゾートっていい!」とかなり癒された状態で、最後に行ったのは、デカイ魚がうようよしている洞窟。
    スゴイというか、気持ち悪いだけでした。

    あとは、メーホンソーンへ帰るだけです。
    1軒の民家へ寄って、メーホンソーンに到着。
    3人で記念撮影をして、僕達は、バイバイと手を振って、別れた。
    今回のツアーは、車に乗っている時間も短く、とても楽しかったです。




    チェン・マイの夜

     チー君とhiroyuki君と会うのは、たったの2日ぶりである。
    僕が彼らと出会ったのは、メーホンソーン最終日、3日目の夜のことだった。
    僕は、出来上がったばかりの特注のリス族民族衣装を受け取り、足裏マッサージを終え、さらに夕食まで終えて、フレンドハウスへと帰ってきたときだった。

     ゲストハウスのテラスで話し合っている二人の男がいた。
    彼らの風貌からして、日本人かな?と思っていたところに、馴染みある言語、日本語が聞こえたので、僕は「こんにちは。」と挨拶をして、僕も彼らの輪の中へ。

    タオルを頭に巻いている彼は、hiroyuki君。1ヶ月間、タイを旅行しに来ている。
    そしてもう一人の短髪の彼は、なんと!世界一周を目指すと言う、チー君。
    二人も、先ほどここで出会ったようだ。

    hiroyuki君は、メーホンソーンの後、どこへ行こうか?と悩んでいる。
    「カンボジアに行って、アンコール・ワットも見たいんですがねぇ、帰国の日時も決まっているし、うーん」
    それに対して、僕とチー君は「見とけ、行っとけ、今しかないよ。」と勧める。
    そんなチー君も、約一週間後には、バンコクへ戻り、インドへ。
    「インドへは、直行便で行くのではなく、どこかに寄りたい。」と言うチー君に対して、僕は、2週間前まで行っていたミャンマーの話をして、ミャンマー行きを勧めた。
    チー君は、これから僕がこれから行く、中国雲南省をすでに通って来ていたので、
    麗江などの話を聞いていると、僕は早く中国へ行きたくてウズウズしてきた。

    そんな旅の話をビールを飲みながら、話をしていた。

    こんなふうに、いきなり出会って、酒を飲みながら旅人達と話をするのは、旅の醍醐味だな。
    と、つくづく感じる。

    チェン・マイの焼き肉屋にて

     僕が、メーホンソーンを出発する朝、チェン・マイで会おう。と約束して、
    僕は、二人よりも一足早く、チェン・マイに戻ってきた。
    そして今晩、僕達は再会する予定だ。

     午後6時頃にチー君からのメールに書いてあったゲストハウスへ行くが、ここには泊まってないようだ。
    もう1軒書いてあったので、そちらのゲストハウスへ、ターペー門をくぐり向かう。
    ここには泊まっているようなんですが、今は外出中らしい。と宿のお姉さんが教えてくれた。
    僕としては、お腹も空いたし、そろそろ会いたいのですが。
    チー君にメールを打ちに、再びネットカフェへ行き、ナイスなタイミングで届いていたチー君からのメールを見ると、僕が泊まっているゲストハウスまで来てくれるということなので、僕はゲストハウスへ戻った。

    そろそろ着いてもいい時間なのですが、1時間経っても来ない。
    夕食を食べようということなので、そろそろ来てもいいころなんですが。
    僕は1階のロビーで待とうと思い、下へ降りると、「おるやん!チー君。」
    どうやら僕の部屋番号を間違えていたらしく、黒人さんが出てきてビックリしたらしい。
    やがてhiroyuki君も来てくれて、これで3人が再会した。

     メーホンソーン以来、2日ぶりだね。と再会を喜び、僕達はトゥク・トゥクに乗って、僕がブラブラしているときに発見した、タイ風焼き肉屋へ。
    焼き肉とビールという最高の組み合わせで、僕達の会話も弾む。
    アルコールもかなり入ってきて、男3人ということもあって、会話はエキサイト。

    「チェン・マイにもゴーゴーバーがあるんだって。」
    そんな話になったのは、さらに焼き肉を注文して、しばらくのことだった。
    「僕はバンコクで行ったで。楽しかった。」チー君もバンコクで行ったことがあるらしい。
    hiroyuki君は、まだ一度も行ったことがなかったので、じゃあ、行ってみようか?
    と僕らは勢いに任せ、チェン・マイ初のゴーゴーバーを拝見しに行くことにした。

    チェン・マイ郊外の移民の村にて

     店内はバンコクと比べると、かなり健全って言うか、女の子は裸で踊ってはおらず、服を着ています。
    ビールは1本=65Bと、リーズナブルな値段。
    バンコクと比べると、踊っている女の子も少なく、みんなイナカ臭いというか、あまりパッとしていない。
    hiroyuki君は、彼なりに楽しんでいるし、チー君も鋭い眼光を舞台上に向けている。
    でも、3人ともあまり盛り上がることなく、ここを後にした。

     やっぱり、せっかく会ったのだから話をしよう。ということで、カフェへ行き、アイスコーヒーを飲みながら、旅などの話をしていた。楽しく会話をしていると、時間はもう午前2時。この店の閉店らしく、僕達3人も解散。

     楽しかった、ありがとう。
    こらからの旅も楽しく行きましょう。
    僕達は、それぞれの旅が良い旅になることを願った。